押し目って、言葉の響きだけ聞くと強そうなんですよね。
「押し目はチャンス」
「上昇トレンドなら押し目を拾え」
「EMA付近は最強の買い場」
本にも動画にもよく書いてあります。
しかし現実の相場はそんなに都合よくできていません。
押し目の“形”が悪い日は、何をやっても勝てない。
特にやばいのが、
「押し目が浅い日」 です。
押し目が浅い日ほど、見た目は「強そう」に見える。
でも、あれは本当に危険です。
むしろ“トレンドの寿命が近いサイン”のことが多い。
私自身、何度も浅い押し目で痛い目を見ました。
しかも、全部同じような負け方でした。
一見強そうに見えるのに伸びない…
あの“意味不明な負け”の正体がこれだった
たぶん、スイングをやっている人は誰もが経験しています。
- チャートの形は完璧
- 日足は整列
- 出来高も申し分なし
- EMAが上向き
「これは上だろう」と思える条件が揃っているのに、
なぜかエントリーした瞬間から動きが重い。
伸びない。
もたつく。
ヒゲが増える。
気づけば下落して損切り。
チャートを見返しても、
「なんで勝てなかったの?」という感覚が残る。
あれの原因は、
押し目が浅い。
実は、原因の多くはこれだったりします。
押し目には“間合い”がある
浅い押し目=相場が呼吸できていない、と考えるとわかりやすいかもしれません。
押し目というのは、
本来は市場の“整える時間”なんです。
強い上昇トレンドは、
必ず「波の間合い」が綺麗です。
- しっかり下げる
- 一度止まる
- 軸が定まり、反発する
この三拍子。
ところが押し目が浅い日は、
- 下げが弱い
- EMAに触れない
- 小さな波ですぐ反発する
- “間合い”がまったく取れていない。
例えば、武術をやっている人は分かると思うんですが、
踏み込みの前に呼吸を整える時間がありますよね。
呼吸が浅いまま突っ込むのは危険で、
威力も伸びも出ない。
押し目が浅い時の相場もまったく同じです。
呼吸が浅いまま無理やり上昇しようとしている。
踏み込む側(=私たち)が踏んだ瞬間に崩れやすい相場なんです。
押し目が浅い日のチャートに出る“共通の違和感”
──言語化するとだいたいこれ
浅い押し目の日は、
後からチャートを見ると明らかに“変な形”をしています。
たとえば…
● EMAに触れない
普通、押し目はEMAに寄ってくるもの。
寄らずに反発する日は、市場のバランスが悪い。
● 反発が弱い(細い陽線)
強い相場は反発の足も強い。
浅い押し目は“気持ちだけ反発”。
● 出来高が細る
大口が押し目を作っていない証拠。
● 高値を更新してもすぐ止まる
「買いの続き」が入ってこない。
● 波が細切れになる
細かい乱高下が増える=市場が迷っている。
● 上ヒゲが連発しはじめる
これ、押し目崩れのサインです。
これら全部が揃ったら、
押し目の見た目がいくら綺麗でも入らない方がいいでしょう。
浅い押し目に手を出すと、損切りが遅れがちになる理由
浅い押し目は、負けるときの“流れ”が決まっています。
エントリー
↓
少し上がる
↓
止まる
↓
ヒゲがつく
↓
ゆっくり下落
この下落が曲者で、
崩れ始めが反発の動きに似てるんです。
だから判断が遅れます。
「まだ押し目の範囲だろう」
「日足は整列してるし」
「EMAが上向いてるから」
こうして、理由を自分の中で作ってしまい、
損切りが遅れる。
浅い押し目の日って、
負けるだけじゃなくて、負け方が悪い日なんですよ。
トレンドの寿命が近いとき、押し目は浅くなる
これも何度も経験して気づいたこと。
トレンドが強いときは、
押し目も深いです。
しっかり下がって、
しっかり止まって、
そこから伸びる。
これは市場に余裕がある証拠です。
ところがトレンドが終わりかけると、
押し目が浅くなる。
浅くしか下げられない。
下げているようで下げ切れていない。
反発は弱く、ヒゲが増える。
これは、
市場が本気で上げる気がない
というサインです。
表面的には強そうに見えても、
内側はスカスカ。
武術でいえば、
構えだけ立派で、
中身の軸が空洞になっているような状態。
そんな相手に踏み込むと、
一撃で体勢を崩されます。
浅い押し目の日の“入らない基準”はこれだけでいい
難しい理論は要りません。
この3つだけ徹底すれば、
勝率は本当に変わります。
1.EMAに触れていない押し目は買わない
軸ができていない押し目は危険。
2.押し目後の陽線が細い日も買わない
強い相場は反発の足が力強い。
3.押し目が浅い日に上ヒゲが増えたら、その日は触らない
これは“相場が迷っている証拠”です。
浅い押し目+ヒゲ増加は
スイングの最大の地雷といえるでしょう。
締め:浅い押し目の日は、やらないことが勝ちになる日
浅い押し目の日って、
ほんと不思議なくらい勝てないんですよ。
伸びそうで伸びない。
上がりそうで上がらない。
踏み込んだ瞬間だけ、なぜか崩れる。
これ、私の中では
“相場が整っていない日”
という位置づけになっています。
相場は、整っている日だけ入ればいい。
武術でもそうです。
間合いが崩れた相手に踏み込む必要はない。
チャートの流れと呼吸が整った日だけ戦う。
それがスイングの本質だと思っています。

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