― 僕自身の失敗と、順張りとの決定的な違いを正直に書く ―
スイングトレードを学び始めると、必ず気になるテーマがある。
「逆張りって結果的にどうなの?
やっぱり危険なの? それとも上手くやれば儲かるの?」
YouTubeでもネットでも、
- 逆張りは危険
- いや、逆張りこそ最強
- うまく使えば勝率が高い
- 半値押しで拾うのが基本
- RSIの逆張りは有効
など、意見がバラバラで混乱する。
僕自身もこの問題でかなり迷走した。
反発狙いで大負けしたり、
“底だと思ったらさらに底がある”地獄を経験したり。
この記事では、
僕がスイングで逆張りを試してきたリアルな失敗談と、
最終的に辿り着いた 「逆張りは“ほぼ不要”」 という結論に至るまでの全過程を書きます。
まず結論:スイングトレードの逆張りは、ほぼ無用
いきなり言ってしまうと、
スイングで逆張りは“ほぼ有効ではない”。
理由はシンプル。
●スイングは「流れに乗るゲーム」だから
逆張りは「流れに逆らうゲーム」。
●スイングは「静かな上昇」を取るもの
逆張りは「暴れている箇所」に突っ込むもの。
●スイングはMA整列の“整った相場”で戦う
逆張りは“整っていない相場”で戦う。
過去の勝ちパターンを振り返れば、
逆張り的な動きは一度も含まれていない。
つまり、
逆張りはスイングの性質と真逆なのだ。
これは“僕の体験基準”であるが
スイング全体の真理にかなり近いと感じている。
そもそも逆張りとは何なのか?
逆張りの定義は人によって違うが、一般的には
- 連続陰線後に買う
- 下ヒゲを拾う
- 下がりすぎた銘柄を“安い”と感じて買う
- 移動平均線からの乖離を狙う
- RSIが低い銘柄を拾う
こういう行動を指す。
しかし、スイング視点から見ると、
これらはすべて“条件が整っていない場所”でのトレードだ。
スイングで勝率が安定するのは、
- MA整列(5>10>30>50)
- 10時以降の静かな上昇
- 出来高が微増
- ヒゲが少ない
- トレンドが伸びやすい環境
こうした整った日だけだ。
逆張りはこの真逆を狙う。
だから難易度が一気に跳ね上がる。
僕が逆張りで実際にやらかした“典型的な失敗”
ここからは、僕の黒歴史を包み隠さず書く。
① 下ヒゲ=反発サインと勘違い
3日連続陰線。
その後に下ヒゲ。
「これは反発だろ」と思ってエントリー。
結果は——
翌日にギャップダウン。
下ヒゲは反発サインではなく
“一瞬の押し返し”でしかなかった。
今思えば、完全に下降トレンドの途中だった。
② 値ごろ感で拾ってしまう
思わずやってしまうのが、
「かなり落ちてきたし、そろそろ反発するだろう」
という“願望買い”。
下落トレンドの途中で掴んだため、
反発どころか、さらに落ちていった。
ストップも遅れて
損切り幅が倍に膨らんだ。
逆張りで一番恐ろしいのは、
損切り遅れとセットになりやすいことだ。
③ MAが全て下向きなのに買ってしまう
これは今思えば論外だが、
当時は本気で“安いから”という理由で買っていた。
- 長期線が全部下向き
- 出来高もなく
- ヒゲばかり
- 日中の流れも汚い
こういう日に逆張りすると、
何度やっても負ける。
逆張りは、
“下がっている理由”を完全に無視したエントリーになりがちだ。
4.逆張りが「難しい」のではなく「スイングに不要」な理由
ここが最も重要なポイントだ。
逆張りが難しいのではなく、
スイングの世界に逆張りという概念がそもそも不要なのだ。
理由を体系化するとこうなる。
① スイングは“方向”がすべて
逆張りは“方向が出ていない”場所で入る。
スイングの本質は
方向感のある相場で静かに利益を取ること。
逆張りは方向性のない場所に突っ込むため、
スイングの目的と一致しない。
② 逆張りはヒゲ・ノイズ・下落圧力の塊
逆張りで入る場所は、
- ヒゲが多い
- 出来高が不安定
- 短期勢が増える
- 売りの圧力が残っている
- ノイズが多発
- すべて“スイングが戦わないべき場所”。
あなたが10時以降を狙っているのも、
こうしたノイズ地帯を避けるためだ。
③ 成功しても“伸びない”
逆張りでたまたま反発を取れても、
多くの場合、そこから伸びない。
- 大きな下降トレンドの途中
- 上値に売り板が残っている
- 大口が戻り売りをする位置
そのため、
“勝っても少額、負けると大きい”
という最悪のリスクリワードになる。
④ 逆張り成功者は「プロ or 特化型」
逆張りで勝っている人は、
- 板読み専門
- 超短期のアルゴ相場
- 逆張り専用手法
- 機関やスキャ専業者
こういった 特殊技能の持ち主。
スイングとはまったく別の競技だ。
僕ら個人のスイング勢が混ざる場所ではない。
5.逆張りの代わりに“やるべきこと”はこれだけ
逆張りは不要だが、
“逆張りっぽく見える自然な押し目”はスイングで取っていい。
ではどう判断するのか?
①「押しているけどMA整列は崩れていない」が最強の押し目
僕の手法で最重要の部分。
- 5>10>30>50が維持されている
- 陰線は出ているが本流は上向き
- 出来高も極端に減らない
- 朝ではなく10時以降に回復している
これがスイングの押し目と判断する指標。
“逆張りではなく順張りの継続サイン”だ。
② 前日終値+数ティックの逆指値買い
これは逆張りとは真逆。
- 飛びつかない
- 静かに抜けた所だけ拾う
- ヒゲを避けられる
- 本物のトレンドにだけ乗る
このスタイルは極めて期待値が高い。
逆張りと真逆の動きにすることで、
スイングが安定する。
③ MA不整列の日は絶対にやらない
押し目と逆張りの境界線は「MA整列」にある。
MAが崩れている日は反発も逆張りも全部危険。
④ 大陰線後は絶対に触らない
これは逆張り初心者が100%やるミス。
大陰線は
「売り圧力が生きている証拠」であり、
反発サインではない。
スイングは必ず“買い圧力が持続する相場”を狙うべき。
6.では逆張りを完全に捨てて良いのか?
僕の答えは YES。
特にあなたの手法は、
- MA整列
- 10時以降の静けさ
- 前日終値+数ティックの逆指値
- −5ティック損切り
- 決算前後は避ける
この“静かな順張り型”。
逆張りはこのスタイルの邪魔にしかならない。
逆張りを完全に捨てた瞬間から、
僕のトレードは本当に安定した。
7.まとめ:スイングの逆張りは“勝てる人でも不要”という真実
最後に、この記事のエッセンスをまとめる。
- スイング逆張りは“勝てるが再現性が低い”
- そもそも“スイングという競技に合わない”
- 反発は狙うものではなく、整ったトレンドに乗るだけ
- MA整列こそ最大の正義
- ヒゲ・ノイズ・朝の荒れた相場は全部逆張り勢のもの
- 10時以降の静かな上昇だけ取れば良い
- 「逆張りを捨てると勝率が上がる」は本当だった
だからこそ安定し始めている。
スイングで勝つコツは、
変に手を広げないこと。
逆張りを捨てることは、
勝ちパターンを濁らせない“最強の選択”。

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