〜僕が痛感した「買い増し=破滅の近道」という真実〜
スイングトレードをしていると、
一度は“買い増し”について考える瞬間があります。
- 含み益が出ているし、今のうちにロットを増やすべき?
- 押し目に見えるから、ここは買い増しのチャンス?
- 長期的に見れば上だし、「追加で買えば利益が伸びる」気がする
- プロは買い増しして利益を最大化すると聞いた
僕もこうした考えに何度か誘惑され、
やってはいけないタイミングで買い増しして大敗したことがあります。
結論から言います。
スイングトレードにおける買い増しは、
基本的に“やらないほうがいい”。
特に個人投資家は“ほぼ破滅の元”。
この記事では、
僕の実体験を交えながら、
「スイングにおける買い増し」の危険性と、
“なぜ買い増しを避けるほうが勝率が上がるのか”を、
トレードの構造から丁寧に解説します。
1.そもそもスイングの買い増しとは何か?
まず前提として、買い増しは大きく2種類あります。
① 含み益の状態で追加買い(いわゆる「ピラミッディング」)→ プロがやることがある。
② 含み損の状態で追加買い(いわゆる「ナンピン」)→ これは絶対にやってはいけない。
この記事で扱うのは ①の「含み益での買い増し」ですが、
実際にはこれも スイングではリスクが極めて高いです。
通常の手法のように
“静かな上昇にだけ乗るスイング”では、
特に買い増しは相性が悪すぎるのです。
2.買い増しが危険な理由① 「スイングは“入り直し”が正解だから」
スイングで重視するのは
- 位置(どこで買ったか)
- 条件(MA整列/地合い/出来高など)
- タイミング(10時以降の静かな上昇)
買い増しは、この “位置と条件の優位性” を自分で壊してしまう行為です。
例えば、僕の得意パターンは
「前日終値+数ティックで刺さり、10時以降の静かな本上昇に乗る」
というもの。
この初回エントリーは 完璧。
しかし買い増しのタイミングはどうでしょう?
- 押し目“っぽく”見えた瞬間
- 一時的に伸びた後の小休止
- 前回よりも不利な位置
- 出来高が減り始めた箇所
- ヒゲの多い時間帯
つまり、
優位性が最も高かった最初の位置から、自分で“劣化した位置”へ平均買値を近づけてしまっている。
スイングでは、
“良い位置で買い直す”ことはあっても、
“悪い位置で買い増す”という発想は不要なのです。
3.買い増しが危険な理由② 「買い増しの瞬間が“トレンド終盤”であることが多い」
買い増ししたくなるのはいつか?
- 含み益が数%出て快感が生まれたとき
- チャートが明らかに上を向き始めたと感じるとき
- ロットを増やして“もっと儲けたい”と欲が出たとき
これは人間誰しも同じですが、
実は その瞬間こそトレンドの終盤であることが多い。
特にあなたのようなスイング勢が狙う“静かな上昇”は、
- 朝のヒゲが消え
- MAが整列し
- 出来高が安定し
- 10〜11時台の緩やかな上昇が続く
- 大口が静かに買い集めている
という、とても美しい流れ。
しかし、この「静かな上昇」が崩れ始めるのもまた、
含み益が最も増えた“その直後”なのです。
買い増しは、
トレンドの後半で“最も高いところを掴む”行為になりやすい。
プロならともかく、
個人のスイングではこのリスクは致命的です。
4.買い増しが危険な理由③ 「損切りラインが崩壊する」
初回エントリーなら、
あなたの損切りは −5ティック前後で済む。
これは非常に優秀で、
スイングを安定させる重要ルールです。
しかし、買い増しをすると、
- 損切りラインが複数存在してしまう
- 新しい買値のほうが高いため、“下げ幅”が大きくなる
- 損切り金額が倍に膨れる
- 相対的に「損切りが遅れる」心理が発生する
結果として、
「正しい損切りができなくなる」→「破滅」
という最悪のパターンが生まれます。
僕も数回これを経験し、
買い増しが“損切りの判断を歪ませる麻薬”だと痛感しました。
5.買い増しが危険な理由④ 「ロットが増えるほど“ヒゲのノイズ”で死にやすい」
あなたはすでに気づいていますが、
スイング最大の敵は ヒゲ です。
- 朝の9〜10時の無意味な刺し
- デイトレ勢の一瞬の反転
- 板の薄い時間帯の乱反射
- 上ヒゲに吸われて逆指値即死
- 買い増しをするとロットが増えるため、
- 少しの逆行で一気に含み損になる
- ヒゲで刺されるストレスが倍増
- 精神的に耐えられなくなり損切りが遅れる
- 最悪のタイミングで投げる
つまり、
買い増しは“朝ヒゲ”との相性が最悪です。
僕の手法は
“ヒゲの影響を最小限にするスタイル”ですが、
買い増しをするとこの強みが崩れます。
6.買い増しが危険な理由⑤ 「買い増しは“集中投資”と同義である」
スイングの原理原則は、
「1つに固執しない。条件の良いものだけを淡々と拾う。」
買い増しは、
1つの銘柄にロットを偏らせてしまう行為。
結果として、
- 決算リスク
- 地合い急変
- 突発ニュース
- 大口の売り
- ギャップダウン
こうした“避けられない外的リスク”に直撃しやすくなります。
逆にいうと、
買い増しをしないほうが地合い変動に強く、
安定したスイングができます。
7.プロの“ピラミッディング”はどう説明する?
YouTubeのトレーダーや本で、
「含み益で買い増しするのが正しい」という話を見たことがあるかもしれない。
しかし、これは
- 中長期
- 5つ以上の銘柄で分散
- MA200・100を基準にした長大なトレンドフォロー
- 含み益の幅が+10〜20%
- 金額管理のルールが厳密
といった、“一般のスイングとは別世界の投資手法”で行われている。
通常のような
- 10時以降の短期スイング
- MA整列の確認
- 逆指値買い
- 損切り5ティック
- 持ち越し厳禁
- 決算前回避
という 超シビアなリスク管理のスイングとは別競技です。
だから、
買い増しを捨てたほうがむしろ勝ちやすいといえます。
8.僕が最終的に行き着いた結論 「スイングに買い増しは不要。むしろ害。」
長くスイングを続けて確信したこと。
- スイングは、“最初の良い位置取り”がすべて
- 買い増しは、その良い位置取りを自分で壊す行為
- ロットは「最初から決めた量」だけでいい
- 買い増しは、むしろ損切り遅延・ヒゲ負けを誘発する
- 買い増しは“必勝パターンの外側に出る行為”
そして最も大事なのは・・・。
「スイングで勝てる人は、“買わない勇気”が強い。
買い増しは、その勇気を腐らせる」
僕の勝率が安定したのは、
買い増しという誘惑を完全に捨て去ってからでした。
9.買い増し禁止チェックリスト
最後に、今回の内容をまとめます。
✔スイングで買い増ししない理由チェック
- 初期エントリーが最も優位性が高い
- 買い増しポイントはトレンド後半になりがち
- 損切りラインがブレる
- ヒゲで刺されるリスクが倍増する
- ロット偏り=地合い変動に弱くなる
- 逆指値買いの美しいロジックが崩れる
- MA整列の“静かな上昇”を濁らせる
- 欲の暴走を招きやすい
✔結論:
スイングは買い増しを封じたほうが利益曲線がきれいに伸びる。
参考になれば幸いです。

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