― 小さく負け続けて資金が減るあなたへ。原因は損切りではなく「入る場所」にある ―
スイングトレードをしていると、
不思議なくらい 「損切りだけが増えていく時期」がある。
- 損切り幅は5ティック前後に抑えている
- ロットも一定
- 無茶なナンピンや両建てもしていない
- 決めた通りに逆指値も置いている
それなのに、
負けだけが塵のように積み重なっていく。
「これ、損切りが厳しすぎるのか?」
「このままじゃ“損切り貧乏”になるだけ…?」
僕もこの“損切り貧乏ループ”に何度も落ちました。
だが、結論から言えば——
損切り貧乏の原因は“損切りが多いこと”ではない。
8割は“入る場所が悪い”ことにある。
この記事では、
僕の手法(10時以降の静かな上昇/MA整列/前日終値+数ティック逆指値/損切り5ティック)を解説し、
損切り貧乏が生まれる理由と脱出法をまとめる。
損切り貧乏とは何か?
“小さく負ける”のは正しい。しかし“頻度が高い”と死ぬ
スイングは、
「小さく負けて大きく取る」のが王道。
だから損切り自体は悪くない。
むしろ正義。
問題は、
- 損切りが多すぎる
- 連続で損切りする
- 勝ちトレードが来ない
- 気づいたら資金だけ削られていく
この“頻度”のほうだ。
損切り貧乏の本質はこれ。
「損切りが正しいのに、損切りの場所に入りすぎている」
つまり、
「入らなければ勝てた」負けが多い ということ。
では、その“入るべきでない場所”とはどこなのか?
損切り貧乏を生む危険パターン①
「朝9〜10時にエントリーしている」
これは最も多い原因だ。
あなたも経験している通り、
朝の9〜10時は “ノイズの塊”。
- 大陽線に見えて上ヒゲ
- 下ヒゲに見えてただの成行処理
- 出来高が異常
- アルゴとデイトレの衝突
- 一瞬だけ高値を抜ける“偽の抜け”
この時間帯でのエントリーは、
損切りに刺さる確率が異常に高い。
特にあなたの手法は、
「静かな上昇だけを取るスイング」。
この時間帯は
“静けさゼロ、暴れ馬だけ”の相場。
負けて当然なのだ。
僕が損切り貧乏に陥ったときの典型例
- 朝の寄りで高く始まった
- “上抜けした気がする”と飛びつく
- 9:10〜9:20で逆指値に刺さる
- 9:40には再び上昇し始める
- 「さっきの損切りは何だった?」と精神崩壊
このパターンが続くと、
1日1〜2回の損切りが積み上がり、
気づけば“損切り貧乏”の完成だ。
対策
- 10時までは絶対に入らない
- どれだけ強く見えても触らない
- 朝の値動きは「すべてノイズ」と割り切る
- スイング勢の参入は10:00以降と理解する
これを徹底すると、
損切り貧乏が一気に減る。
損切り貧乏を生む危険パターン② 「反発狙い=逆張りで入っている」
スイング勢にとって、
反発取りは“無自覚な逆張り”だ。
反発狙いをしていると、
- 上がらない
- すぐ逆行
- 反発に見えても、すぐ売りに押される
- 陽線1本で釣られる
- 下ヒゲに惑わされる
これらが連続する。
特にやばいのはこれ。
「反発狙いは成功したとしても“伸びない”」
トレンドが崩れた場所で入っているため、
利益が続かない。
つまり、
勝っても少額、負けると確実に損切り。
損切り貧乏一直線である。
僕が反発狙いで破滅した時の例
下落が止まったように見えて入る
翌日、少し含み益
「やっぱり反発だった!」と期待
その後、大陰線
初回の損切り幅 ×2〜3倍の損失
そしてまた次の“反発”に飛びつく。
これを循環していた頃は、
とにかく損切りばかり増えていた。
対策
- MA整列(5>10>30>50)が揃うまで入らない
- 下ヒゲは反発ではなく、すべて“ノイズ”扱い
- 大陰線翌日は絶対に触らない
- “上がりそう”ではなく“上がっている”にだけ乗る
- 前日終値+数ティック逆指値で、本物の抜けだけ拾う
あなたのスタイルは、
この対策すべてに合致している。
つまり、
反発狙いを完全に捨てたあなたは“正解の道”にいる。
損切り貧乏を生む危険パターン③ 「そもそも“地合いが悪い日”に戦っている」
損切り貧乏の本当の原因はこれだ。
- あなたの勝ちパターンは、
- MA整列が揃っている
- 出来高が微増
- 10時以降の静かな上昇
- 地合いがある程度強い
- 決算前ではない
こうした“整った日”にしか発生しない。
逆に言うと、
整っていない日に入ると、損切りだけが増える。
地合いが悪い日の特徴は、
- 上昇しても伸びない
- 陽線が全部ヒゲ
- 一瞬上がっても、すぐ押し戻される
- 出来高が不安定
- 全体が重い
- 個別が元気でも市場が冷たい
こんな日にトレードすると、
**“損切りしか出ない日”**になる。
対策
✔ 指数(TOPIX・日経・マザーズ)が弱い日は触らない
✔ 前日比マイナスの地合いの日は観察だけ
✔ ヒゲが多い日は“今日やる日ではない”
✔ MA整列 × 出来高微増 × 地合い強め
この3つが揃った日だけ触る
結局、「入る条件」が強い日を選ぶだけで、
損切り貧乏は大幅に減る。
損切り貧乏パターン④(番外) 「決算前後でポジションを持っている」
決算はスイングの天敵。
- 理不尽な大陰線
- 謎の上昇から急落
- ボラティリティ増加
- トレンドが消える
このような事が増える決算前後は、
“損切りが増える環境”そのもの。
「決算2〜3週間前は保有しない」
と決めるのは、最高の判断だ。
損切り貧乏から抜けるには? 「損切りの数」を減らすのではなく、「入る条件」を絞る
損切り貧乏の解決法は単純だ。
✖ 損切りを緩める
→ 損失が膨らんで破滅
✖ 損切り幅を広げる
→ ヒゲに刺さりやすくなり悪化
✖ たくさん入って勝率でカバーしようとする
→ ノイズ負けが増える
これらは全部“罠”。
正解はただひとつ。
「入る条件を極端に厳しくすること」
あなたの手法で言えば、
以下の条件が揃った日だけ入る。
スイングで“損切り貧乏”を防ぐ入場条件
【1】MA整列(5>10>30>50)
→ トレンドが整っている時だけ戦う
【2】出来高が前日比で“微増”
→ トレンドの持続性がある状態
【3】10時以降の静かな上昇
→ ノイズが一掃された後の本トレンドに乗る
【4】前日終値+数ティックの逆指値買い
→ ヒゲ・疑似抜けを完全排除できる
【5】決算2〜3週間前は絶対に保有しない
→ 不要な損切りの根源を絶つ
【6】地合いが弱い日は一切やらない
→ “静けさ”のない日には勝ち筋がない
【7】損切りは必ず −5ティック前後
→ 小さく負けて、大きく取るための基盤
最後に:損切り貧乏は“損切りが悪い”のではなく、“入る日が悪い”
損切り貧乏に悩んでいた頃の僕に言いたい。
「損切りは悪者じゃない。
入る場所が悪かっただけだ。」
あなたのように、損切り幅を固定し、
逆指値を必ず入れ、
MA整列を重視するスイングの人は、
“損切りの質そのものは完璧” だ。
残っているのは、
- 朝のノイズ
- 反発狙い
- 地合いの弱さ
- 決算前後
- ヒゲの多い日
こうした “入ってはいけない日を排除するだけ”。
損切りは人生を救う。
損切り貧乏は“損切りの多さ”ではなく“入り方の問題”だ。
その意識があれば、トレード成績は激変するだろう。

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