スイングトレードをしていると、よくこういう負け方をします。
- 朝イチで上に抜けたと思って買ったら、
そのまま下ヒゲで叩き落とされ逆指値へ直行 - 上ヒゲに吸われてエントリー → そこが天井
- 逆指値を置いた瞬間だけ“そこだけ”触れて損切り
- ヒゲに触れて売られたあと、きれいに上昇していく地獄
僕もこれを何十回と経験しました。
特にエクサウィザーズでの朝イチ上ヒゲ → 逆指値損切りは、トラウマ級に覚えています。
ヒゲに狩られる現象は、初心者どころか中級者でも苦しむテーマです。
ですが、理由さえ理解すれば、“回避可能な負け方” です。
この記事では、
・なぜヒゲに狩られるのか
・どんなときにヒゲが出やすいのか
・どうすれば避けられるのか
を、あなたのスイング戦略に完全最適化した形でまとめます。
1.そもそも「ヒゲに狩られる」とは何か?
チャートのヒゲは、
その瞬間だけ寄せられた注文の痕跡です。
- 上ヒゲ → 一瞬だけ高値に“触れた”あと、売りの圧力で落ちた
- 下ヒゲ → 一瞬だけ下に“刺さった”あと、買いが支えた
- この“一瞬の触れ”に巻き込まれるのが、俗に言うヒゲ狩り。
- スイング視点で見ると、ヒゲはこう解釈できます。
- 「トレンドの方向とは関係ない“無駄なノイズ”」
スイングの本質は、
静かなトレンドに乗ること です。
だからこそ、このノイズは避けるべきなのです。
2.朝にヒゲが多発する理由(スイングには最悪の時間帯)
あなたも感じている通り、
ヒゲの8割は 9:00〜10:00 に発生します。
なぜか?
① 成行注文の処理がまとめてぶつかるから
寄り付き直後は、前日の夜に入れられた
- 成行買い
- 成行売り
- 逆指値注文
- が一気に清算されます。
市場の方向性がまだ決まっていないのに、
注文だけが勢いを持って流れ込むため、
ヒゲが大量発生します。
② 短期勢(デイトレ)・アルゴが“ヒゲを作る動き”をする
朝の10〜30分はデイトレーダーとアルゴの独壇場。
- 利確
- ショート
- 一瞬の逆張り
- 指値の吸い取り
この動きは、明らかに“スイング勢とは異質”です。
つまり、
スイングのトレンドがまだ表れていない状態なのです。
③ “朝だけ強い銘柄”は本物の上昇ではない
僕も何度も騙されました。
「朝一発目の大陽線=今日強い」と錯覚して買う。
しかし本物の上昇は、
- 10時以降の静かな伸び
- MAの整列が揃っている
- 出来高が“微増”して支えられている
こういう動きです。
朝の大陽線は、ただの条件反射のような動き。
見た目に騙されますが、
中身はトレンドとは関係ないことがほとんど。
3.ヒゲに狩られる“典型的な負け方”
あなたも1つは心当たりがあるはずです。
① 上ヒゲを「抜け」と勘違いして飛びつく
でも実際は、
- アルゴの一瞬の買い
- 大口が指値を食っただけ
- デイトレ組の仕掛け買い
こうした理由で一瞬だけ高値に触れただけ。
その後すぐに売りが入り、
逆指値にガツンと触れて終わります。
② 下ヒゲが“反発サイン”に見えて、底を拾いにいく
初心者がやりがちな鉄板のミス。
- 連続陰線の後にヒゲ
- 「反発しただろう」と買う
- その翌日、さらに下落して損切り
下ヒゲは、反発シグナルではなく
“ただの一時的な押し返し”であることが多いです。
③ 逆指値だけ“ピンポイント”で刺されて落ちる
いちばんムカつくパターン。
逆指値ラインだけ触って、
そこから綺麗に上昇。
これは実は“偶然”ではなく、
流動性の薄い朝の時間に、
機関の売りが雑に入ることで起きる現象です。
逆指値が“板の中で最初に並んでいるだけ”の場合、
とても刺さりやすい。
4.僕が気づいた「ヒゲに狩られる人の共通点」
僕自身がこの罠に落ち続けて分かったことがあります。
ヒゲに狩られる人は総じて、
・朝の勢いが好き
・動き出しで入ろうとする
・飛びつく癖がある
・値幅を取りたいという焦りがある
スイングの本質と完全に逆です。
スイングは、
- 騒がしい時間を避ける
- 静かなトレンドだけ取る
- 地味な上昇を待つ
これが王道なのに、
僕も最初は全く逆のことをしていました。
5.ヒゲ狩りを避けるための“本質的な対策”
ここから、実際の対策に入ります。
僕の普段のトレードルール(前日終値+数ティックの逆指値買い、10時以降の本トレンド狙い)と完全に整合する内容です。
【最重要】① 朝9〜10時には絶対にエントリーしない
これだけでヒゲ狩りの7割は消えます。
スイングは短期戦ではなく、
方向が固まった後の“静かな上昇”に乗る戦い。
10時以降になると、
- ノイズが消える
- アルゴが落ち着く
- 個人の成行が減る
- トレンド方向が見え始める
条件が整うのはいつも10時以降です。
僕の勝ちパターンも「10時以降」。
逆に負けパターンは「10時前」。
これは偶然ではありません。
② 前日終値+数ティックの買い逆指値を徹底する
このスタイル、実はヒゲ回避に最適です。
理由は簡単。
- ヒゲでは“刺さらない”
- 本当に抜けたときだけ約定
- 勢いの騙しを避けられる
- 10時以降に刺さりやすい
- 無駄な飛びつきを防げる
上昇の“本物の抜け”だけ拾えるので、
ヒゲの影響を受けにくくなります。
③ 逆指値は“広げない・動かさない・最初に置く”
ヒゲ狩りの一部は、
逆指値の甘さからも起こります。
朝のノイズは深いヒゲが多いので、
損切り幅が広すぎると、
- 広げたところまで刈られる
- 損切りが大きくなる
- メンタルが崩れる
僕の経験では、
−5ティック前後が最適でした。
これ以上広げると、
朝のヒゲに余裕で刺さるようになります。
④ MA整列が確認できるまで絶対に入らない
ヒゲ狩りされる多くの日は、
MA整列が崩れていることが多いです。
- 30日線が横ばい
- 50日線が下向き
- 短期だけ上向き
こんな日は、
「トレンドがない=ヒゲばかり」 になります。
MA整列(5>10>30>50)が揃っていることが、
“トレンドが静かに伸びる日”の大前提です。
⑤ 出来高が少ない日は触らない
ヒゲは、流動性の薄いところに発生します。
- 朝の出来高が細い
- 板がスカスカ
- 売り板・買い板が偏っている
こういう日は、
どんなにチャートが良く見えてもヒゲが出やすい。
出来高の「安定感」がある日だけ触るのが最も安全です。
⑥ 「今日中に入らないと損する」という焦りを捨てる
ヒゲに狩られる根本原因は、
“焦り” です。
今日こそ入りたい
朝の勢いに乗りたい
上昇に置いていかれたくない
でも、スイングは
“待つほど勝てるゲーム”です。
『焦って入るとヒゲに殺され、
落ち着いて待つとトレンドが見える』
これがすべてです。
6.僕が最終的に行き着いた「ヒゲ回避ルール」
今回の内容をまとめます。
✔ヒゲ回避ルール(実戦版)
- 朝9〜10時は絶対にエントリーしない
- 前日終値+数ティックの逆指値買いを徹底
- MA整列(5>10>30>50)必須
- 出来高が細い日は触らない
- ヒゲの多い日は“市場が落ち着いていない”証拠。休む
- 損切りは−5ティック前後で固定
- 逆指値売りは10時ちょうどに引き上げる
- 「反発に見える下ヒゲ」は絶対に拾わない
- “静けさ”を感じない日は入らない
このルールにしてから、
僕の、ヒゲが狩られる回数は激減しました。
7.最後に:ヒゲは“勝てない日のサイン”でもある
ヒゲの多い日は、
そもそも“勝つべき日ではない” ことが多いです。
相場の状態が悪いからヒゲが増える。
トレンドが未成熟だからヒゲが増える。
つまり、
ヒゲは「休め」という相場からのメッセージ」です。
無理して戦う必要はありません。
スイングトレードは、
“静かな上昇だけを取る”ゲームなのです。

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